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プリンス幼稚園 教育方針

一人ひとりの保育

教育方針

一人ひとりのこどもは自ら伸びる力を持っています。その力は細かな知識を積み重ねるのではなく、さまざまな環境に働きかけ、互いに影響を受けあい、経験を通して他者と出会い、時にはぶつかり合いながら、遊びの中で獲得されていくものです。そこでは子どもが、自分はいま何を感じているのかということと、その感情に対する周囲の暖かな共感や支援とが、のちに子どもが自分を大切に育てていく気持ちを養う不可欠な要素となります。

しかし、周囲の大人はただ単純に褒めたり、驚いてみせたり、子どもの行動を修正したりすれば良いというわけではありません。大人の方で先回りしてしまっては、子どもの自身の発見や成長の機会を奪ってしまう場合もあります。
幼稚園の先生は子どもをじっくり観察し、「どうすれば子どもを伸ばせるか」ではなく「どうすれば一人ひとりの子どもが自ら伸びてゆこうとする環境や条件を生み出せるのか」を研究しています。そして、「ここぞという場面で適切な援助するにはどうすればよいか」を考え続けます。

自ら伸びてゆこうとする環境

子どもの成長への共感や支援に対し、「子どもを甘やかしている。」という意見があります。しかし、社会に対して子どもをどうしつけて行くかという人間の社会化の問題と、子どもが自らの成長に取り組めるようどう支援していくかという教育の問題とは別の話です。前者は「他人からみて自分はどうあるべきか」という問題であるのに対し、後者は「自分はどうありたいか」という問題であるからです。

幼児期という自分を探す旅のはじまりには、子どもが持ち合わせている「生きることは素晴らしい」「成長することは楽しい」「いまの自分が大好き」という心性を素直に伸ばしていくことが第一です。このエネルギーを自らのうちに生み出す力を上手に育てることができる子どもは、その後の成長において、自分の人生にしっかりと向き合い、他人や周囲に配慮しながら自らの義務と責任をすすんで引き受けていくことができるようになるからです。

自分を受容し、他人を受け容れる

この前提なしに、どんな方法で子どもをしつけても、それは表面だけ親や周囲のいうことをきく「良い子」を装うことに長け、内面は他人からどう見られるかということばかりを気にして、自分のない、自分の人生とその問題を、他人や社会のせいにして自ら向き合おうとしない、無責任な人間をつくっていくことになりかねません。
自身を尊重できる人は、他者にも配慮します。自分を励ますことのできる人は、他人にも勇気を与えることができます。自分を受容できる人が、自分とは違う他人を受け容れ、自らを成長させていくことができます。